教えて編集長!おすすめ能(1)「石橋」

知りたい!能狂言。

(能樂圖繪「石橋」/ 国会図書館蔵 )

「能楽タイムズ」のやまぎし編集長に、能にまつわるいろいろを教わる新コーナー

第1回は、2021年3月17日 TBSラジオ「アフター6ジャンクション」 (#アトロク)の「効能別おすすめ能~ストレスで もう何にもしたくなーい時におススメ」のコーナーでやまぎし編集長がを紹介した曲目です。

「石橋」(しゃっきょう)

舞台は中国、清涼山。旅に出た寂昭法師が目の前にしたのは、深い谷にかかる狭く長い石橋。そこに現れた童子は、その橋は容易に人が渡れるものではない、向かいは文殊菩薩の浄土であるから待てばやがて奇瑞が現れるだろうと告げて立ち去る。ほどなくして獅子が石橋に現れ、咲き乱れた牡丹の間を勇壮に舞い戯れる。

★見どころ★
能としては珍しく、大変豪華な舞台が見どころ。紅・白獅子の装束に紅・白牡丹の作り物が絢爛。 力強い囃子と躍動的な舞で観ているだけで気分がアガります。頭であれこれ解釈したり考えるのを止めて、世界観にただ身を任せてみることをおすすめします。見終わった後はストレスによるモヤモヤがすっきり晴れていることでしょう。ストレスで「なんにもしたくなーい」人、観能初心者にもおススメの一曲。


こちらもおススメ:

「能楽手帖」

権藤芳一 著
小B6判 302ページ
能楽鑑賞の手引き。能を観に行く前の予習本に。コンパクトでも内容は充実。手元に置きたい1冊です。

 

 


やまぎし編集長:「能楽タイムズ」編集長。2012年より「能楽タイムズ」の編集に携わる。専門は近世日本文学。ベテランに引けを取らない幅広い人脈と持ち前のコミュニケーション力で采配をとる。能楽”超”初心者の能楽書林スタッフの「こんなこと聞けない質問」に快く答えてくれ、わかりやすい語り口に定評がある。