
能楽対談 第658回
観世銕之丞(シテ方観世流)
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観世淳夫(シテ方観世流)
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西野春雄(法政大学名誉教授)
銕仙会百年 その歩みをめぐって
▼大正14年の第1回演能会から今年で100年を迎える、観世銕之丞家を中心とした演能団体・銕仙会。戦争を生き延びた観世寿夫、栄夫、静夫の兄弟は新しい時代の中で人々に能を見てもらうべくどのように情熱を注いだのか、現代で能楽を後世に伝えていくため銕仙会がいま重んじていること、描いている未来とは何か――現当主の観世銕之丞(本名:暁夫)氏と長男の観世淳夫氏、学生時代から会員として半世紀以上銕仙会の定例会を見続け、静夫と復曲能も手掛けてきた能楽研究者の西野春雄氏に語っていただいた。
[見出し]
・大正十四年から
・学生層への啓蒙
・機関誌『銕仙』
・能はアクセルとブレーキ
・戦争を超えて
・次代へ――淳夫氏が見る未来
・謡の力
・百周年記念公演


❝「西野さん、能はアクセルとブレーキだよね。グッと押さえる力と、それを跳ねのける力。この力の拮抗するところが能なんだ」❞(西野春雄氏、本記事の観世静夫との回想より)
❝戦争で舞台が焼けて催しができなくなったという時に、幸運にも残ったうちの多摩川の舞台を、流儀を超えて皆さんが使っておられて、父や伯父はここでいろんな影響を受けたでしょうし……(中略)……運良く生き残って、そこで寿夫、栄夫、静夫の三人が十分に稽古をしたり広く能の話を聞く時間があった。それが後々の銕仙会につながっていったところはあると思います❞(観世銕之丞氏、本記事より)
【ほかの読み物】
〈批評と感想〉
舞台の上の能・紙の上の能――演出を求めて~2025年11月の舞台から~
みなもと ごろう
▼2025年11月
2日『友枝会』から「鉢木」友枝昭世★「羽衣」友枝真也
5日『国立能楽堂定例公演』から「俊寛」観世清和★
9日『金春定期能』から「俊寛」金春憲和、「三輪」雨宮悠大
16日『梅若会別会』から「三輪・白式神神楽」梅若紀彰★
22日『復曲能を観る会』から復曲能「和田酒盛」梅若紀佳★
15日『宝生会別会』から「絃上」佐野登★
23日『桂諷会』から「卒都婆小町・一度之次第」長山桂三★
29日『国立能楽堂企画公演』から「石橋・和合連獅子」親・金剛永謹、子・金剛龍謹
16日『万作を観る会』から舞狂言「楽阿弥」野村万作★
……を紹介(★は写真掲載)
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【連載】西三河在住能楽研究者の眼差し:令和七年十月の名古屋能楽堂
飯塚 恵理人
▼2025年10月
19日『名古屋能楽堂十月定例公演』より「苞山伏」野村信朗、又三郎★、「弱法師」衣斐愛★
22日『能狂言が見たくなる講座』より「清経」角当直隆
……を紹介(★は写真掲載)
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【連載】思い出の記①:能を食いものに
柳沢 新治
▼元NHK能楽番組担当ディレクターの柳沢新治氏(89)が、能楽のテレビ番組を制作する中で育んだ能楽師たちとの数々の思い出を振り返るエッセイ。第1回はある受賞記念パーティーで能楽師から受けた一言を機に、自らの仕事を振り返った時の記憶。
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〈ニュース、レポートなど〉
■観世宗家伝来『風姿花伝』ユネスコ「世界の記憶」に国際登録を申請
■観世寿夫記念法政大学能楽賞にリチャード・エマート氏 小鼓方幸流 成田達志氏 催花賞に能面打 見市泰男氏
■ドナルド・キーン展 世田谷文学館で 3月8日まで
■国立能楽堂 能楽研修生(三役)募集 狂言方主任講師・野村萬斎氏が記者会見★
■能楽協会主催・66回 式能
……ほか(★は写真掲載)
◆2026年1月の全国の能楽公演カレンダー「今月の能」収録◆
〈年賀広告の掲載〉
能楽タイムズでは、毎年1月に年賀広告、8月に暑中広告を掲載しております。
令和8年1月号でも、能楽師、会派や流派、能楽堂、小道具や衣装の企業、能・狂言写真家など、流儀や家、職分を越えて様々な方からお申し込みいただき、謹賀新年として名前を列記させていただきました。誠にありがとうございました。
ご愛読の皆様、本年も何卒よろしくお願い申し上げます。
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