演出家・岡本章が主宰する錬肉工房(れんにくこうぼう)が創立55周年を迎え、2026年10月10日、17日の両日、『錬肉工房アーカイブ1971―2026 岡本章演出代表作品映像特別上映会』を東京・両国門天ホールで開催する。

錬肉工房は1971年の創立以来、〈言葉〉と〈身体〉の関係を問い直しながら、さまざまなジャンルの現代芸術家との共同作業を展開してきた。能を現代に開く「現代能楽集」の連作にも取り組み、能楽師との協働を重ねてきた。今回、その初期から現在に至る活動の中から、代表作8作品の舞台映像を二日間にわたり上映する。

岡本は今回の上映会について、「一つの節目として、これまでの様々な挑戦の作業を捉え直すとともに、それが多くの皆さんの新たな手掛りや刺激になればと願っています」と語る。また、多様なジャンルの表現者との共同作業を「私の仕事の核」と位置づけ、とりわけ能・狂言については、「若い頃に観世寿夫さんの能と出会い、衝撃を受けて以来、多くの力のある演者の方々の深いご理解、ご協力を得て、これまで充実した多様な試みが出来てきたことに、とても感謝しています」と振り返る。
10日(土)は、【第一部:13〜16時】で、初期の実験的作品「水の鏡」(1982)、粟谷能夫、浅井文義らが出演した「水の声」(1991)を、【第二部:17〜20時】で観世榮夫、大野一雄らによる「現代能『無』」(1998)、「ハムレットマシーン」(同)を上映。
17日(土)は、【第一部:12〜16時】スペインの詩人ガルシア・ロルカの戯曲をもとに観世榮夫、山本順之、櫻間金記らが出演した「現代能『ベルナルダ・アルバの家』」(2002)、詩人・高柳誠の作品による「月光の遠近法」(2005)、【第二部:16時半〜20時】那珂太郎作、観世銕之丞、宝生欣哉、山本東次郎ら出演の「現代能『始皇帝』」(2014)、世阿弥「鵺」とベルナール=マリ・コルテスの戯曲を交錯させた「西埠頭/鵺」(2017)を上映する。
各日、第二部上演後にトークも行われ、10日は演劇評論家の西堂行人、17日は能狂言研究家の小田幸子が、主宰の岡本章と対談する。また55周年記念出版として、初期戯曲や演出ノート、対談、論考、活動資料などを収める『錬肉工房の軌跡 1971―2026』(錬肉工房編/論創社)が12月に刊行予定。



